イタリアにおける「マンモーネ」という言葉
先日、息子・Eiz(11歳)が右足首を骨折してしまい、サッカーはしばらくお休みすることになりました。
今はとにかく安静第一。
思うように体を動かせない日々が続いています。
それでも、骨折した「今だからこそできること」を探して、できる範囲で工夫して過ごしています。
前回のブログにも書いたように、早速2kgのダンベルを2つ購入し、毎日こつこつ腕のエクササイズ。
一生懸命取り組む姿が、なんともかわいい☺️。
普段はなかなか時間が取れずに見られない、自分や他の子どもたちの試合動画を観て研究したり、
1年前に日本語補習校を辞めてからぐっと減ってしまった日本語の勉強を取り戻すため、
最近は日本語の動画をいつもより多く観ています。
寝る前の未来シンキングも忘れず。
いい感じ。
……とは言うものの、時間がある分、いつもよりゲームもしていますが😅。
さて今回は少し視点を変えて、イタリアにおける親子関係について書いてみたいと思います。
テーマは、日本でよく使われる「マザコン」という言葉についてです。
実はイタリアには、日本でいう意味での「マザコン」という概念が存在しません。
イタリア語には「マンモーネ(mammone)」という言葉がありますが、これは少し意味が違います。
マンモーネとは、大人になっても自立できていない人、
たとえば30代、40代、場合によってはそれ以上の年齢で親と暮らし、
洗濯や食事、時には仕事までも親に依存しているような人を指します。
「依存」という点では一部似ているように感じるかもしれませんが、
子どもが母親に甘えたり、愛情を表現することとは、まったく別の概念です。
イタリアでは、10歳を過ぎた子どもが母親に甘えたり、
ハグやキスといった愛情表現をすることはごく自然なこと。
それを見て「マンモーネ」だと思う人は誰もいません。
大人になってからも、母親を大切にする人はとても多く、
キスやハグを交わすのは日常の一部。
親が子どもに愛情表現をすることも同じで、
それを「恥ずかしい」と感じる人は、ほとんどいません。
親子の愛情表現が自然な国、イタリア
私がこの文化を強く意識したのは、十数年前にレストランで見たある光景でした。
40代くらいのお母さんが、10歳前後の息子を、まるで恋人を見つめるような優しい眼差しで見つめていました。
食事をしながらキスをしたり、手を握ったりしている姿に、正直なところ当時はかなりの違和感を覚えました。
でも今振り返ると、その違和感こそが不思議に思えるほどで、今では同じ光景を見てもまったく不自然だとは感じません。
それは私自身が親になったからなのか、それともこの文化の中で暮らすうちに、自然と受け入れられるようになったのか。
理由ははっきりしませんが、こうして親子が愛情表現をしても浮かない環境で子育てができる私は、なんてラッキーなんだろう💚と、心から思います。
実際、日常を見ていると、サッカーの試合中でも同じような光景がよく見られます。
ゴールを決めたり、良いプレーをした子どもが、真っ先に親のもとへ走ってきてキスをしたり、ハグをしたり。
それは男の子だけでなく女の子も同じ。
お母さんと娘、お父さんと息子、性別を問わず、親子が触れ合い、愛情を示す姿はとても自然です。
こうした光景は、単なる「かわいい瞬間」ではなく、親子の絆を深める大切な行為として、ごく普通に存在しています。
この文化の中で暮していて、時々日本での感覚を思い出します。
今は時代も変わり、日本でもイタリアに近い価値観を持つ家庭は増えているのかもしれません。
それでも、私が育った昭和の時代には、まず見られなかった光景でした。
本来、親子が愛情を表現し合うことはとても自然なことなのに、
特に男の子の場合、公共の場では恥ずかしいと感じてしまう。
人間が本来持っている、親への愛情、子どもへの無条件の愛情を、どこかで抑えてしまうのは、とてももったいないことだと感じます。
家の中だけでなく、レストランや公共の場でも、こうした愛情表現が当たり前にできること。
そして何より、子どもたち自身が「恥ずかしいこと」だと思っていないこと。
私にとっては、まさに天国です😇。
なんて私は幸せなお母さんなんだろう🧡、と。
まとめると、イタリアでは子どもが母親を愛することはごく自然であり、
「マザコン」という概念は存在しません。
マンモーネとは、自立できない大人に対して使われるもので、
子どもが親に愛情を示すこととは、まったく関係がない言葉です。
以前のブログにも書きましたが、子どもは無条件の愛情を注がれることで、
「自分は愛されている」という感覚を持ち、それが自信となり、自己肯定感が育ちます。
愛情表現によって、子どもは安心と自信を得て、親は元気の源をもらえる。
なんて素敵な好循環なんでしょう🧡
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そんな生活を送っているとEizと日本に帰ったとき、いつものようにふるまい、
公共の場で少しグレーな視線を感じたとしても、それほど気になりません。
それより、
息子よ、この視線に気づかないでくれ😆
そして30歳になっても50歳になっても、ギュッとしたいししてほしいです。
つづく

