走らないのにスタミナがある環境の中で思うこと
先日、2月末から3月、4月にかけての試合予定表を受け取りました。
週末は土日ともにすべて試合です。
改めて予定表を見ると、やはり「試合が日常」の国だと感じます 🇮🇹
Eizも6歳で前回のクラブチームに入ってしばらくすると、すぐに週末の試合が始まりました。
まだ小さな子どもたちがボールに集まり、皆でボールだけを追いかける――いわゆる団子サッカーのような状態で、それでもみんな夢中でした 😊
イタリアでは幼い段階から「試合をする」ことが当たり前にあります。
技術ができてから試合に出るというより、試合の中でサッカーを覚えていく環境です。
練習も試合、週末も試合という構造
現在のチーム練習もゲーム中心です。
現在は週3回、1時間半の練習です。
月曜日はテクニカル練習で、最初に1時間弱の技術練習を行った後は試合形式が続きます。
火曜日と木曜日の基礎練習も、最初の30分ほどの基礎メニューの後はほぼゲームです。
さらに週末には大会や親善試合が入ります。
まさに「試合・試合・試合」という構成です 。⚽
日本の部活やクラブの感覚と比べると、かなり特徴的な構造だと感じます。
走り込みがほとんどないことへの違和感
私自身は昭和の部活世代で、バレーボール部でした。
当時の部活は走り込みや体力作りが中心で、朝練や持久走など基礎体力を重視する環境でした。
今の日本はクラブによって練習内容も多様で、技術重視の育成も増えていると思います。
ただ、私が経験した時代は体力中心の練習が主流でした。
その感覚から見ると、イタリアで走り込みをほとんど見ないことは今でも少し驚きがあります。
校庭を一周走るようなメニューすら一度も見たことがありません。
小さい頃はまだ体力トレーニングをしない段階なのだろうと思っていました。
そのうち始まるのだろうと。
けれど年齢が上がっても走り込みは始まらず、今に至ります。
それでも子どもたちはよく走る
不思議なのは、体力トレーニングをしていないのに子どもたちがよく走れることです。
大会では20分や25分の試合を続けて3試合、4試合行うこともあります。
もちろん疲れてはいますが、多くの子が最後までプレーについていきます。
試合後も元気で、皆でふざけたり遊んだりしています。
レストランで食事をしていても、まだサッカーをしたいくらいの様子です。
走り込みをしなくても自然に体力がついているのか、
試合量による適応なのか、
あるいはイタリアの子ども特有の体質的なものなのか。
サッカーが好きで、ゲームを必死にやっているうちに、自然とスタミナがついていくのかもしれません。
体力を任せる文化
さらに特徴的なのは、体力面をコーチがほとんど管理しないことです。
走り込み指示もなく、自主トレーニングの指示も特にありません。
体力作りは基本的に各自に任されている印象があります。
現在のクラブも以前のクラブも競技志向は高いチームですが、体力指導はほぼありませんでした。
イタリア育成文化の一つの特徴なのかもしれません。
保護者同士でも「もう少し走らせてもいいのでは」という会話は時々出ます。
親世代の経験との違いを感じている人は多いようです。
試合中心だからこそ続くサッカー
ただ、この試合中心の環境には明らかな強みもあります。
子どもたちがサッカーを続けやすいことです。
これまでのチームでも現在のチームでも、辞める子はほとんどいません。
試合が練習の中心にあるため、「サッカーをしたい」という動機と活動内容が一致しています。
サッカーが好きで入っている子どもたちにとって、
サッカーをする時間が多い環境はとても自然です。
サッカーを純粋に楽しみたい子どもにとっては、理にかなった構造だと思います。
試合の中で覚えるサッカー
試合形式が多い環境では、プレーの理解も実戦の中で育っていきます。
ゲームの中で状況判断を覚え、
プレーの感覚を身につけ、
いわゆるサッカーIQが自然に増していくように見えます。
公園でサッカーをして覚える感覚に近いのかもしれません。
小さい頃に技術を教え込みすぎないことで、
自分の感覚で覚えていく余地が残ります。
そのためか、子どもたちのプレーには個性があります。
皆が同じ動きをするという感じはあまりありません。
楽しさが前提にある文化
イタリアのコーチたちもサッカーへの情熱がとても強い人たちです。
本格的に教え、競技として向き合っています。
ただ同時に、子どもたちにサッカーを楽しんでほしいという気持ちが自然にあります。
自主性教育を意識的に掲げているというより、
彼ら自身がサッカーを楽しんできた文化の中にいるのだと思います 🇮🇹
感覚で覚えることの大切さも、
彼らにとっては特別な指導哲学ではなく、普通の経験なのかもしれません。
むしろ日本のように体力トレーニングを重視する育成文化を、
知らないコーチもいるのではないかと感じることもあります。
試合中心で体力トレーニングが少ない環境の中で、
子どもたちがどのように成長していくのかはとても興味深いところです。
そして同時に、Eizとの自主トレーニングとのバランスも必要だと感じています。
早く骨折が完治して、通常トレーニングができることを祈ります 💙
つづく


