イタリアで子育てをしていると、日本との違いを強く感じることがいくつもあります。
その中でも特に大きいのが、スポーツの環境です。
私は昭和の人間なので、日本の部活動というものにとても思い入れがあります。
同じ学校、同じ仲間と、同じ時間を過ごしながら積み重ねていくあの環境は、今でもとても価値のあるものだと思っています。
実際に、ああいった環境を子どもに経験してほしいと強く思い、日本の部活動に参加させるために、日本で生活することまで考えたことがあるくらいです。
ただ、イタリアでサッカーをする環境の中にいると、また全く違う形での育成や成長があることに気づかされます。
イタリアには「部活動」がないという仕組み
イタリアでは、日本のように学校の中で部活動を行う文化はほとんどありません。
スポーツは基本的に、学校の外にあるクラブチームに所属して行います。
サッカー、バレーボール、陸上、音楽など、さまざまな活動が地域ごとに存在し、子どもたちはそれぞれの団体に所属して活動しています。
つまり、学校とスポーツは完全に切り離されているということです。
イタリアのサッカークラブの特徴と専門性
イタリアのサッカークラブでは、指導者は基本的にライセンスを持ったコーチであることが多く、専門的な指導が行われています。
さらに、クラブによってはトレーナーや怪我のケア、コンディション管理に関わるスタッフがいることもあり、子どもであっても専門的なサポートを受けながらプレーする環境が整っています。
また、セレクトチームや少し規模の大きなクラブになると、遠くから通っている子どもも多く、送迎バスが用意されていることも珍しくありません。
ただし、このクラブによって環境のレベルには大きな差があり、地域のクラブから高いレベルのクラブまで、その幅はとても広いのも特徴です。
親の関わり方と負担、そして助け合い
イタリアでは、子どもの送迎は基本的に親が行います。
特に遠征などになると、1時間〜2時間かけて車で移動することも珍しくありません。
その分、親の負担は決して小さくはありません。
ただ、その中でとても強く感じるのが、チーム内での助け合いです。
仕事などでどうしても行けない時には、他の家庭が送迎を引き受けてくれることもあり、他の家庭の車に一緒に乗せてもらうこともあります。
そして一人や二人ではなく、多くの家庭が自然にそういった行動を取っているのを見ると、イタリア人の温かさを感じずにはいられません。
こうした助け合いは、怪我やトラブルのときにも強く感じます。
実際にそのことについては、こちらの記事でも書いています。
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怪我やトラブルの中で感じたチームの支え
日本の部活動という環境の価値
日本の部活動には、日本にしかない良さがあります。
学校という同じ場所で、同じ仲間と長い時間を過ごし、先生や仲間と関係を築いていくあの環境は、まさに青春そのものです。
時に専門の指導者ではない先生が指導することもありますが、それでも子どもたちのことを思って関わる姿勢や、集団の中での成長という意味では、とても大きな価値があると感じています。
私自身、その環境を今でもとても大切なものだと思っています。
イタリアと日本、それぞれの良さとこれから
イタリアでは専門的な指導や環境の中でサッカーに取り組むことができ、日本では学校という枠の中で仲間と共に成長する文化があります。
どちらが良いかという単純な話ではなく、それぞれに違う価値があると感じています。
また、試合の中での判断や振る舞いなど、日本とイタリアで違いを感じる場面もあります。
そういった点については、こちらの記事でも書いています。
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理不尽な判定の中で子どもが学ぶこと
近年の代表の結果を見ていても、日本の成長や勢いはとても強く感じられます。
イタリアが少し苦しい時期にある一方で、日本の存在感は確実に大きくなっています。
日本でサッカーをしている子どもたちにとって、これからの環境には大きな可能性が広がっていると感じます。
日本はすでにかなり高いレベルにあるのではないでしょうか。
そしてこれから、その環境がさらに進化していく可能性も十分にあると思います。
だからこそ、どちらかを選ぶというよりも、それぞれの良さを理解しながら、子どもにとって何が最適かを考えていくことが大切なのだと感じています。
つづく

