イタリア少年サッカーを見ていると、日本との違いを感じることがたくさんあります。
その一つが、走り込みや体力トレーニングに対する考え方です。
今回はイタリアの少年サッカーを通して、なぜ走り込みが少ないのか、そして試合中心で育つ環境について感じていることを書いてみます。
この記事はこんな方におすすめです
- イタリアの少年サッカー育成に興味がある方
- なぜ走り込みが少なくても子どもたちが走れるのか知りたい方
- 試合中心で育つイタリアの育成文化を知りたい方
- 日本とイタリアの少年サッカーの違いを知りたい方
走り込みがないのに子どもたちはなぜ走れるのか
先日、2月末から3月、4月にかけての試合予定表を受け取りました。
週末に試合があること自体は、イタリアの少年サッカーでは珍しいことではありません。
ただ改めて予定表を見てみると、土日ともに試合が入っている週が続いていて、やはり「試合が日常」の国なのだと感じました。
Eizも6歳でクラブチームに入ると、すぐに週末の試合が始まりました。
まだ小さな子どもたちがボールに集まり、みんなでボールだけを追いかける──いわゆる団子サッカーのような状態で、それでも夢中でボールを追いかけていました。
イタリアでは幼い頃から「試合をすること」が当たり前にあります。
技術ができてから試合に出るというより、試合の中でサッカーを覚えていく環境です。
そして、その環境の中で以前から不思議に感じていたことがあります。
それは、日本では当たり前のように行われる走り込みや体力トレーニングをほとんど見かけないことです。
それでも子どもたちは週末ごとの試合をこなしながら、よく走り、少しずつ成長していきます。
走り込みをしているから走れるのではなく、試合そのものが体力づくりにもなっているように見えるのです。
練習も試合、週末も試合という構造
現在のチーム練習もゲーム中心です。
現在は週3回、1時間半の練習があります。
月曜日はテクニカル練習で、最初に1時間弱の技術練習を行った後は試合形式が続きます。
火曜日と木曜日の基礎練習も、最初の40分ほどの基礎メニューの後はほぼゲームです。
さらに週末には大会や親善試合が入ります。
まさに「試合・試合・試合」という構成です。
日本の部活やクラブの感覚と比べると、かなり特徴的な環境だと感じます。
技術練習がないわけではありません。
ただ、練習で身につけたことをすぐに試合形式で使う機会があり、週末にも実戦の場が続きます。
海外少年サッカーでは、試合の中で経験を積みながら成長していく育成環境が当たり前のように存在しています。
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走り込みがほとんどないことへの違和感
私自身は昭和の部活世代で、バレーボール部でした。
当時の部活は走り込みや体力作りが中心で、朝練や持久走など基礎体力を重視する環境でした。
今の日本はクラブによって練習内容も多様で、技術重視の育成も増えていると思います。
ただ、私が経験した時代は体力中心の練習が主流でした。
その感覚から見ると、イタリアで走り込みをほとんど見ないことは今でも少し驚きがあります。
グラウンドを一周走るようなメニューすら一度も見たことがありません。
小さい頃はまだ体力トレーニングをしない段階なのだろうと思っていました。
そのうち始まるのだろうと。
けれど年齢が上がっても走り込みは始まらず、今に至ります。
セリエAやセリエBにつながるプロクラブの育成カテゴリーでも、体力作りのための走り込みをほとんど見かけないことは、今でも不思議に感じる部分です。
それでも子どもたちはよく走る
不思議なのは、体力トレーニングをしていないのに子どもたちがよく走れることです。
大会では20分や25分の試合を続けて3試合、4試合行うこともあります。
もちろん疲れてはいますが、多くの子が最後までプレーについていきます。
試合後も元気で、皆でふざけたり遊んだりしています。
レストランで食事をしていても、まだサッカーをしたいくらいの様子です。
走り込みをしていないのに、実戦の中で自然と体力がついているようにも見えます。
走り込みをしなくても自然に体力がついているのか、試合量による適応なのか、あるいはイタリアの子ども特有の体質的なものなのか。
サッカーが好きで、ゲームを必死にやっているうちに、自然とスタミナがついていくのかもしれません。
海外少年サッカーは体力トレーニングを重視しないのか
さらに特徴的なのは、体力面をコーチがほとんど管理しないことです。
走り込みの指示もなく、自主トレーニングの指示も特にありません。
体力作りは基本的に各自に任されている印象があります。
現在のクラブも以前のクラブも、子どもたちの育成にとても力を入れているチームです。
それでも体力指導はほとんどありませんでした。
体力をつけることよりも、まずサッカーをすることが優先されているように感じます。
保護者同士でも「もう少し走らせてもいいのでは」という会話は時々出ます。
イタリアの保護者の中にも、そう感じている人はいるようです。
それでも走り込みが中心になることはなく、サッカーをすることが優先されているように見えます。
試合中心だからこそ続くサッカー
ただ、この試合中心の環境には明らかな強みもあります。
子どもたちがサッカーを続けやすいことです。
これまでのチームでも現在のチームでも、辞める子はほとんどいません。
試合が練習の中心にあるため、「サッカーをしたい」という動機と活動内容が一致しています。
サッカーが好きで入っている子どもたちにとって、サッカーをする時間が多い環境はとても自然です。
それでも、試合が練習の中心にある環境は、子どもたちがサッカーを続けやすい理由の一つなのかもしれません。
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なぜ試合中心でも子どもたちは成長するのか
イタリアのコーチたちもサッカーへの情熱がとても強い人たちです。
本格的に教え、競技として真剣に向き合っています。
ただ同時に、子どもたちにサッカーを楽しんでほしいという気持ちも自然に感じます。
自主性教育を意識的に掲げているというより、彼ら自身がサッカーを楽しみながら育ってきた文化の中にいるのだと思います 🇮🇹
感覚で覚えることの大切さも、特別な指導理論ではなく、ごく自然な考え方なのかもしれません。
私自身もバレーボールをしていた頃は、走り込みや体力トレーニングより、試合形式の練習の方が好きでした。
もちろん体力づくりや基礎練習も大切です。
それでも人は「やらなければならないこと」より、「やりたいこと」の方が夢中になれるのだと思います。
語学でも、ただ勉強しようと思うより、「好きなアニメを理解したい」「話せるようになりたい」という気持ちがある方が、自然と覚えていくことがあります。
楽しい、もっとやりたいという気持ちは、それだけ大きな力になるのかもしれません。
走り込み中心ではなく、試合の中で学びながら成長していく。
そんな海外少年サッカーの育成環境には、日本とはまた違った良さがあるように感じています。
そして同時に、Eizとの自主トレーニングとのバランスも必要だと感じています。
早く骨折が完治して、通常トレーニングができることを祈ります 💙
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