子どもの自己肯定感とは?低いとどうなる?親が知っておきたい基本

「自己肯定感ってよく聞くけど、結局どういう意味なんだろう?」
「自己肯定感が高いって、どういう状態のことなんだろう?」

そんなふうに感じている方にとって、自己肯定感はとても気になるテーマだと思います。

ただ、言葉としては知られていても、実際にどういう状態を指すのか、どんな影響があるのかは、意外と分かりにくいものです。

この記事では、子どもの自己肯定感とは何か、そして自己肯定感が低いとどうなるのかを、具体的かつ深く解説していきます。

子どもの自己肯定感とは?

子どもの自己肯定感とは「できてもできなくても、自分には価値があると思える感覚」です。

テストでいい点が取れたときだけではなく、失敗したときや、うまくいかなかったときでも、

「それでも自分は大丈夫」
「このままの自分でもいい」

と感じられる、心の土台のようなものです。

この土台があるかどうかで、子どもの行動や気持ちは大きく変わっていきます。

自己肯定感=「そのままの自分でいい」と思える感覚

たとえば、

  • ▶ うまくできなかった日でも、責められずに受け止めてもらえた
  • ▶ 失敗して落ち込んでいるときに、気持ちに寄り添ってもらえた
  • ▶ 結果ではなく過程や努力を見てもらい、「頑張ったね」と言ってもらえた

こうした経験の積み重ねが、「できなくても自分は大丈夫」という感覚を育てていきます。

こんな様子があるときは自己肯定感が関係していることもある

  • ▶ 「どうせ無理」と言ってやる前からあきらめる
  • ▶ 失敗するのを極端に怖がる
  • ▶ 少し注意されただけで大きく落ち込む
  • ▶ 人の目を気にしすぎる
  • ▶ うまくいかないとすぐにやめてしまう

これらは単なる性格ではなく、「自分に価値があると思えていない状態」が影響していることがあります。

「失敗=自分の価値がない」という感覚になっている可能性があります。

子どもにとっては、失敗そのものよりも、失敗したときに自分がどう扱われるかの方が大きな意味を持ちます。

そのため、

  • ▶ 傷つくくらいならやらない
  • ▶ 失敗するくらいなら挑戦しない

という行動につながっていきます。

また「どうせ自分なんて」という言葉の裏には、

  • ▶ 自分には価値がないのではないかという不安
  • ▶ 期待に応えられないことへの怖さ

が隠れています。

これは甘えではなく、自分を守るための自然な反応です。

自己肯定感は“無条件”で育つもの

自己肯定感は、条件付きでは育ちません。

  • ▶ できたから認める
  • ▶ 成功したから褒める
大切なのは「できるかどうか」ではなく「存在そのものを認めること」です。

子どもは、「何ができたか」だけで自分の価値を感じているわけではありません。
むしろ、うまくいかなかったとき、失敗したとき、思い通りにできなかったときに、どのように受け止めてもらえたかによって、自分は大丈夫な存在なのか、それとも価値のない存在なのかを少しずつ感じ取っていきます。

だからこそ、自己肯定感を育てる関わりの土台には、

  • ▶ 失敗しても否定されないこと
  • ▶ できなくても見放されないこと
  • ▶ 結果より前に、存在そのものが受け入れられていること

が必要です。

そしてもうひとつ大切なのは、子どもの「やってみたい」という気持ちが、頭ごなしに止められないことです。

子どもは、自分でやってみる経験の中で、失敗も含めてたくさんのことを学びます。
その経験を通して、「やってみてもいい」「試していい」「自分で動いていい」という感覚が育っていきます。
この感覚は、自己肯定感の土台とも深くつながっています。

👉 実際に「やりたい気持ちをどこまで尊重するのか」や、「できるだけYESで答える関わり方」については、
YESで答えてきた子育て|やりたいを止めないと決めてきた理由で、日常の中でどのように実践しているかを書いています。

この違いが、子どもの行動を大きく左右します。

自己肯定感は「立て直す力」でもある

自己肯定感は「うまくいかないときに、自分を立て直す力」です。
  • ▶ 落ち込んでも戻ってこれる
  • ▶ 失敗してももう一度挑戦できる
  • ▶ 自分を完全に否定しない

この力があることで、子どもは折れにくくなります。

自己肯定感というと、「自分が好き」「自分に自信がある」といったイメージで捉えられることもあります。
もちろんそれも一部ではありますが、本当に大切なのは、うまくいかないときにどうなるかです。

子どもは日々の中で、

  • ▶ 友だちとうまくいかない
  • ▶ 練習してもうまくできない
  • ▶ 誰かと比べて落ち込む
  • ▶ 思うような結果が出ない

といった経験を繰り返します。

そんなときに、

「もうダメだ」
「自分には無理だ」
「できない自分には価値がない」

と感じてしまうのか、

「今回はうまくいかなかった」
「悔しいけれど、またやってみよう」
「できないことがあっても、自分までダメになるわけじゃない」

と思えるのか。

この違いを生むのが、自己肯定感です。

自己肯定感がある子どもは、失敗や挫折がないわけではありません。
むしろ、落ち込むことも、悔しくなることも、傷つくことも普通にあります。
ただ、そのあとに少しずつ戻ってくる力があります。

それは、

  • ▶ 自分を全否定しなくて済むから
  • ▶ 失敗しても愛されなくなるわけではないと知っているから
  • ▶ うまくいかない自分も含めて受け止められている感覚があるから

です。

👉 実際に、日常の中でどのように「立ち上がる力」を育てているかについては、
どんな風に育ってほしいか|自己肯定感をそだて、つまずいても立ち上がる力の記事で具体的に書いています。

自己肯定感は揺れるもの

  • ▶ うまくいけば前向きになる
  • ▶ 失敗すれば落ち込む
大切なのは「落ち込まないこと」ではなく「戻ってこれること」

ここも誤解されやすいところですが、自己肯定感はいつも一定ではありません。
調子がいい日もあれば、気持ちが沈む日もあります。
自信が持てるときもあれば、急に弱気になることもあります。

これは子どもに限ったことではなく、大人でも同じです。

だから、落ち込んでいる姿があるからといって、すぐに「自己肯定感が低い」と決めつける必要はありません。
一時的に自信をなくしたり、前を向けなくなったりすること自体は、自然なことです。

大切なのは、その状態から少しずつでも戻ってこられるかどうかです。
つまり、揺れても崩れきらない土台があるかどうかです。

自己肯定感が育っている子どもは、気持ちが揺れないわけではありません。
揺れたあとに、また自分を取り戻していくことができます。

自己肯定感と自己効力感の違い

  • ▶ 自己肯定感 → 存在の価値(無条件)
  • ▶ 自己効力感 → できる自信(条件つき)

この2つは似ているようで、実は大きく違います。

自己効力感とは、「自分はできる」「やればできる」と思える感覚です。
これは、成功体験や褒められた経験によって育つ、いわば能力に対する自信です。

一方で自己肯定感は、結果に関係なく、「自分には価値がある」と感じられることです。
できたときだけではなく、できなかったときも、自分を丸ごと否定せずにいられる感覚です。

この違いはとても大きく、

  • ▶ 自己効力感だけが高い子は、うまくいく間は前向きでも、失敗すると一気に崩れやすい
  • ▶ 自己肯定感が土台にある子は、失敗しても「またやってみよう」と戻ってきやすい

という差につながります。

そのため、子どもの成長を考えるときには、まず自己肯定感が土台にあり、その上に自己効力感が育っていくという順番がとても大切です。

自己肯定感と自信の違い

▶ 褒めれば自己肯定感が上がる → ❌違う
▶ 自信がある=自己肯定感が高い → ❌違う

自己肯定感については、よく誤解されることがあります。

たとえば、「たくさん褒めれば自己肯定感は育つ」と思われがちです。
もちろん褒めること自体は悪いことではありません。
ただ、褒める内容がいつも結果や能力に偏っていると、子どもは「できたときだけ認められる」と感じやすくなります。

また、一見自信があるように見える子でも、失敗したとたんに大きく落ち込んだり、人の評価に強く左右されたりすることがあります。
その場合は、自己効力感はあっても、自己肯定感の土台がまだ十分ではない可能性があります。

自己肯定感は、ただ前向きでいることでも、ただ自信満々でいることでもありません。
うまくいかない自分も含めて、自分には価値があると思えることです。

親の関わりが自己肯定感を育てる

  • ▶ 結果だけで評価していないか
  • ▶ 失敗したときに否定していないか
  • ▶ 気持ちに寄り添えているか
親が「信じている」という安心感が最も重要です

子どもの自己肯定感は、生まれつき決まるものではなく、日々の関わりの中で育っていきます。

特に大きいのは、親がどんな目で子どもを見ているかです。

結果だけで評価してしまっていないか。
失敗したときに否定してしまっていないか。
子どもの気持ちにしっかり寄り添えているか。

そうした関わりに加えて、何より大切なのは、親が自分を信じてくれているという安心感を、子どもが持てているかどうかです。

たとえまだうまくできない時期でも、少し危なかしく見える場面でも、大切なのは「本当に全部任せられるかどうか」ではありません。
そうではなく、「あなたのことを信じているよ」という気持ちが、子どもに伝わっていることが大切です。

子どもは、言葉だけでなく、表情や態度、声のトーン、ちょっとした反応から、「自分がどう思われているか」を敏感に感じ取っています。

だからこそ、「信じているつもり」ではなく、信じていることが子どもに伝わっているかが重要です。

子どもの自己肯定感で一番大切なこと

  • ▶ そのままの自分でいいと思えること
  • ▶ 失敗しても立て直せること

子どもの自己肯定感とは、ただ自分を好きになることでも、ただ褒められて育つことでもありません。

そのままの自分でいいと思えること
そして、うまくいかないときに立て直せること

この2つの土台が、自己肯定感です。

そしてそれは、特別なことをしなくても、

  • ▶ 無条件の関わり
  • ▶ 日々の積み重ね
  • ▶ 安心できるまなざし
  • ▶ 挑戦しても大丈夫だと思える経験

の中で、少しずつ育っていきます。

まず大切なのは、「できる・できない」で子どもを見ることではなく、存在そのものを認めることです。

子どもの自己肯定感を育てるには

ここまで読んで、「では、具体的にどう関わればいいのか?」と感じた方も多いと思います。

自己肯定感は、日々のちょっとした関わり方で大きく変わります。

  • ▶ どんな声かけが効果的なのか
  • ▶ やってしまいがちなNGな関わり方
  • ▶ 日常の中で意識できるポイント

については、次の記事で詳しく解説していきます。

つづく

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