pub-3714318710564256イタリアの子どもはなぜミスを怖がらないのか|少年サッカー | 育成思考|子どもの可能性と向き合う

子どもがミスを怖がる理由|イタリアの少年サッカーで感じた自己肯定感の違い

試合になると、ミスを怖がってしまう子。
ボールを受けるのを避けたり、失敗しないプレーを選んでしまう場面。

そんな姿を見て、
「どうしたらもっと自信を持ってプレーできるんだろう」
と感じたことはありませんか。

イタリアで子どもたちのサッカーを見ていると、ひとつ強く感じることがあります。

それは、ミスを怖がる子どもがほとんどいないということです。

もちろん、悔しさを見せたり、感情を表に出したりする場面はあります。

ただ、ミスをしたあとに、コーチや親の顔色をうかがうような場面は、ほとんど見られません。

この違いは、どこから来ているのでしょうか。

自己肯定感という視点から、イタリアの少年サッカーで感じたことを考えてみたいと思います。

この記事はこんな方におすすめです

  • 子どもがミスを極端に怖がることに悩んでいる方
  • 子どもの自己肯定感を育てたい方
  • 失敗すると止まってしまう子への関わり方を考えたい方
  • イタリアと日本の子どもの違いに興味がある方

自己肯定感とは?子どもの成長に大切な土台

自己肯定感とは、

できてもできなくても、自分には価値があると思える感覚のことです。

うまくいったときだけではなく、

失敗したときや思い通りにいかなかったときでも、

「それでも自分は大丈夫」
と思えるかどうか。

この感覚があるかどうかで、子どもの行動は大きく変わっていきます。

子どもの自己肯定感について、基本はこちらでまとめています。

▶ 詳細を見る

自己肯定感が低いとどうなるのか|子どもに見られる特徴

自己肯定感が低い状態というのは、

・やる前から「どうせ無理」とあきらめてしまう
・失敗することを極端に怖がる
・人の目を気にしすぎてしまう

といった形で表れることがあります。

ただ、こうした状態は性格ではなく、

「自分には価値があると思えているかどうか」

という土台が影響していることも少なくありません。

つまり、失敗そのものが怖いのではなく、

「失敗=自分の価値が下がるもの」

と感じてしまっている状態です。

だからこそ、

・ミスをしないようにプレーを選ぶ
・ボールを受けることを避ける
・挑戦すること自体をやめてしまう

といった行動につながっていきます。

では、こうした違いはどこから生まれるのでしょうか。

イタリアの子どもはなぜ自己肯定感が高いのか|小さい頃からの関わり方

イタリアで子どもたちを見ていて感じるのは、

小さい頃からの関わり方の違いです。

本当に些細なことでも、言葉にして伝えられます。

たとえば、

階段を登っただけでも、
ボールを少し蹴っただけでも、

「ブラボー!ブラーバ!(素晴らしいね!)」といった声が、自然とあちこちから聞こえてきます。

それだけではなく、

抱きしめたり、キスをしたりと、

身体的な関わりの中でも「大切にされている」という感覚が伝えられています。

それは、何か特別なことができたから褒めているというよりも、

「そのままのあなたを見ているよ」
「やっていることを認めているよ」

という感覚が、言葉や行動として自然に伝わっているように感じます。

また、子どもたちは小さい頃から、

親やおじいちゃん、おばあちゃんに、

「スペチャーレ(特別だよ)」

と、自然に言われて育ちます。

「あなたは特別な存在だよ」と。

これは、自己肯定感を育てようとして意識しているというよりも、

親にとって本当にその子が特別な存在だからこそ、自然に出てくる言葉なのだと思います。

だからこそ、子どもたち自身も、

「自分は特別な存在なんだ」と、無理なく受け取っているように見えます。

自己肯定感は、何か大きな成功で一気に育つものではなく、

小さな「できた」や「認められた経験」の積み重ねの中で、少しずつ育っていくものです。

こうした日々の関わりが、その土台になっているのかもしれません。

そしてこうした関わりは、

特別に意識して行われているというよりも、文化の中に自然に根付いているもののように感じます。

子どもの自己肯定感の育て方については、こちらでも書いています。

▶ 詳細を見る

この違いが、

「失敗そのものに対する感覚の違い」につながっているように感じます。

イタリアの子どもたちも、もちろん失敗はしたくありません。

悔しがることもありますし、うまくいかないことに対して感情を出すこともあります。

また、コーチに強く言われる場面もあります。

ただ、

失敗したことを「恥ずかしいこと」として捉えている様子は、ほとんど見られません。

そして、

たとえ注意されたとしても、それを「自分自身が否定された」とは受け取っていないように感じます。

つまり、

失敗や指摘が「自分の価値」と結びついていない

という状態です。

そのため、

失敗したあとも、そこで止まるのではなく、自然と次の行動に向かっていく

そんな流れが生まれているのではないでしょうか。

なぜイタリアの子どもはミスを怖がらないのか|少年サッカーで見えた違い

実際にイタリアで子どもたちの試合を見ていて、強く感じることがあります。

ミスをしたあとに、迷いやためらいがほとんど見られないということです。

もちろん、動きが止まるわけではありませんが、

コーチや親の顔色をうかがったりするような“間”は、ほとんどありません。

悔しがったり、感情を出したりすることはありますし、

仲間に対して申し訳なさそうにする様子が見られることもあります。

ただ、

「ごめん」「すみません」といった言葉を、コーチや親に向けて言う場面は、

少なくとも私はこれまでに一度も聞いたことがありません。

それは、謝ることが悪いというよりも、

そもそも「ミス=謝るもの」という感覚があまりないからだと感じます。

コーチの中には、強く言う人もいます。

大きな声で指摘する場面もあります。

ただ、そういった場面でも、

「謝らなければいけない」という反応は、ほとんど見られません。

日本では、ミスをしたときに、

「怒られるかもしれない」
「恥ずかしい」
「迷惑をかけてしまった」

と、いろいろな思いが一気に頭の中に広がることが多いように感じます。

一方でイタリアでは、

「悔しい」「次どうするか」

といった、もっとシンプルな感情で動いているように見えます。

実際に、家に帰ってきてからの息子・Eizとの会話の中でも、それを感じることがあります。

ミスについて話しているときに、

「あそこで怒られた?」と聞くと、

「うん、怒られたね。でも今回はこう思ってこうやったから、自分は間違ってないと思ったけどね」

と返ってきたり、

またあるときは、

「うん、怒られたよ。だって間違ったんだから、怒られるのは当たり前でしょ」

と、本当に淡々とした反応が返ってきます。

そこには、

「怒られた=自分がダメ」という受け取り方はなく、

あくまでプレーに対してどうだったか、というシンプルな捉え方があります。

だからこそ、傷ついたり、引きずったりする様子もほとんどありません。

同じ注意でも結果が変わる理由|自己肯定感という土台の違い

ここまで見てきた違いは、

特別な指導方法の違いではなく、土台の違いによるものだと感じます。

同じようにミスをして、同じように指摘されたとしても、

その受け取り方は大きく変わります。

自己肯定感の土台がある子どもは、

注意されたときに、

「プレーについて言われている」

と受け取ることができます。

一方で、土台が不安定な場合、

「自分自身がダメだと言われている」

と感じてしまうことがあります。

この違いが、

そのあとの行動や思考に、大きな差を生みます。

だからこそ大切なのは、

ミスをしないことではなく、ミスをどう受け取れるか

ということです。

そしてその受け取り方は、

日々の関わりの中で作られていく「自己肯定感」という土台に大きく影響されます。

子どもの自己肯定感で一番大切なこと

イタリアで子どもたちを見ていて感じるのは、

ミスをしたときに、そこに余計な意味が乗っていないということです。

恥ずかしいことでもなく、

誰かに謝らなければいけないものでもなく、

ただ「うまくいかなかったこと」として、そのまま次につながっていく。

そんなシンプルな流れがあります。

もちろん、悔しさを感じることもあります。

うまくいかなかったことに対して、考えることもあります。

ただ、それが

「自分はダメだ」というところにはつながっていない

という違いがあります。

自己肯定感というのは、

自信を持つことや、ポジティブでいることではなく、

うまくいかないときに、自分をどう扱うか

に表れるものなのかもしれません。

そうした土台があるからこそ、

ミスをしても止まらず、また次に向かっていくことができるのだと感じています。

自己肯定感というのは、

特別な声かけや、
大きな成功で一気に育つものではなく、

日々の小さな関わりの中で、
少しずつ作られていくものなのかもしれません。

ミスをしたときに、
すぐに評価するのではなく、

「この子は今、どう感じているんだろう」

と見つめることも、
子どもの土台を育てるひとつなのだと思います。

子どもにどんな力を育てていきたいかについては、こちらでも書いています。

▶ 詳細を見る

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